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宮崎優也 プロフィール写真  3-18.jpg

Artist Statement

音楽は、私たちの心を揺さぶり、社会や地域を深く結びつける不思議な力を秘めています。その力をただ信じるだけではなく、どのように引き出し、新たな価値やつながりを創出できるのかを常に問い続けてきました。指揮とは、単なる音楽の再現ではなく、時代や社会の文脈を映し出し、新しい視点を提示する創造的な行為であるべきだと考えています。音楽を通じて生まれる共感や連帯感は、未来を切り拓く鍵となるからです。

 

アーツカウンシル(文化芸術への助成を中心に、行政や自治体の文化事業の評価や調査研究を担い、文化政策に寄与する文化芸術全体の指揮をするような存在)で培った経験は、この理念の基盤となっています。舞台芸術、伝統芸能、現代アート、ソーシャルアートといった多様な表現活動の現場に触れ、アーティストやマネジメントが抱える課題や創造のプロセスを目の当たりにしました。アーツカウンシルとしての指揮者的な役割を果たす中で、文化芸術が社会とどのように交わり、新たな価値を生み出しているかを捉える視点を磨くことができました。

 

指揮活動の核には、正統的な研鑽と広い視野の共存があります。欧米の主要歌劇場でのコレペティトゥアや音楽スタッフとの協働を通じて、オペラという伝統的な舞台芸術の奥深さを学びました。同時に、舞台芸術、現代アート、伝統芸能、地域に根ざした文化活動などとの接点を持つことで、新しい価値を創造する視点を育みました。音楽の美しさだけでなく、その背後にある社会的な文脈やメッセージを問い直し、聴き手との深い対話を生む音楽表現を目指しています。音楽の「広がりの力」を活かし、社会を巻き込む創造の場を築くことを重要な使命と感じています。

 

音楽は、社会の課題や希望を映し出し、人々を結びつける「媒介」としての可能性を秘めていると信じています。その可能性をさらに広げるために、地域から世界へと視野を広げ、多くの人々と響き合いながら、音楽を軸にした新しい価値の創造に挑み続けたいと考えています。

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