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宮崎優也 プロフィール写真  3-6.jpg

Profile

1988年東京生まれ。高校卒業後、単身渡米。ネバダ州立大学リノ校にて音楽(トロンボーン・ピアノ)と神経心理学を学びながら、米国各地の講習会、オーケストラ、歌劇場で研鑽を積む。マーチャイソン財団奨学金を得てノーステキサス大学音楽学部オーケストラ指揮科(修士課程)に進学。修了後は同科の博士課程に学費免除で進学し、博士号単位取得満期退学。在学中から音楽活動を本格化させ、各地方プロオーケストラで副指揮者や音楽鑑賞コンサートの指揮を務める一方、高校や音楽大学の非常勤講師として授業も担当。

 

 

 

 

音楽教育を音楽活動の重要な一部と位置づけ、在学中からさまざまな青少年音楽団体のトレーナーを務める。2016年から2019年にかけては Dallas Asian American Youth Orchestra の音楽監督を務め、就任2年目には団体初となるヨーロッパ演奏旅行を実現し、オーストリアでウィーンとザルツブルクの2公演を成功させる。また、2013年から2017年にかけてTexas Academy of Mathematics and Science の学生オーケストラディレクターを務め、生徒数を3倍に増やすなどプログラムの発展に寄与。音楽活動にとどまらず、生徒とともに社会貢献活動にも力を注ぐ。

 

アメリカでの音楽活動や教育活動では、音楽の芸術性や創造性を追求するだけでなく、青少年音楽団体や地方プロオーケストラでの経験を通じて、組織や法人の運営にも積極的に関与。非営利芸術団体のマネジメント的視点にも注力し、音楽活動における経営面でのマインドを鍛えた。これにより、音楽そのものの表現力だけでなく、持続可能な文化活動を支えるための仕組みづくりについての知識と経験を蓄積した。

 

 

 

オペラ指揮と教育現場での経験を評価され、2016年にブルガリアで開催された Varna International Opera Academy に副指揮者および音楽スタッフとして招かれ、指揮者陣が登壇する前の下振りやトレーナー役を務める。並行して開催された室内オーケストラ、オラトリオ、オペラガラのコンサートで指揮を務めたことが高く評価され、翌2017年には同アカデミーに再び招聘され、コープランドの歌劇『テンダーランド』を指揮し、ヨーロッパでのオペラデビューを果たす。その後はイタリアで開催される Accademia Europea dell’Opera や Varna International Music Academy にスタッフ指揮者として招かれ、ローマ・スカラ座やウィーン国立歌劇場、ロイヤルオペラハウス、メトロポリタン歌劇場などの音楽スタッフとともにプロダクションに従事。加えてアカデミーの指揮科生徒への指導も行った。

 

 

 

 

2019年より活動拠点を関西に移す。欧米でのオペラの経験と、アメリカでの音楽活動で培った芸術経営のマインドが評価され、堺シティオペラ一般社団法人のアーティスティックディレクター兼事務局長に就任。在籍中には、新型コロナウイルス感染症の蔓延という未曾有の危機に直面するが、徹底した感染症対策を講じ、一人の感染者も出すことなく、多くのイベントや公演を成功に導いた。

 

2020年には同団初の文化庁学校巡回公演事業を受託し、指揮者・制作として参加。公演前には現地を訪問し、徹底的な感染症対策を施した上で10校以上での公演を実現。コロナ禍においても、芸術教育の機会を途絶えさせることなく提供した。また、チェコ共和国大使館と連携し、日本・チェコ交流100周年事業として、A.ドボルザークの歌劇『ルサルカ』を「人魚姫の物語」として再構築。アニメ『おそ松さん』のエンディング曲などで知られる作詞家・作曲家の松井洋平氏とタッグを組み、従来の古典的な解釈にアニメの感覚を融合させ、すべての世代が楽しめるファミリー向けオペラ公演に創り上げた。

 

さらに、邦人オペラ作品には演出や所作に日本舞踊を取り入れるなど、日本の伝統芸能を融合させた公演にも力を注いだ。加えて、子どもを対象としたオペラ公演やイベントを積極的に実施し、オペラ鑑賞者の裾野を広げる取り組みを推進。これらの活動を通じて、伝統的なオペラ芸術に新しい視点を加えるとともに、地域社会に深く根付いた文化活動を展開した。これらの取り組みは新聞やウェブメディアにも多数取り上げられ、幅広い注目を集めた。また、自身が副指揮と制作に携わった第34回定期公演《アイーダ》は令和2年度大阪文化大賞を受賞した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2022年には、ケント・ナガノ氏と観世流能楽師・山本章弘氏がコラボレーションした新作プロジェクトに制作段階から音楽スタッフとして参加。「月」をテーマにした新作能とシェーンベルクの《月に憑かれたピエロ》(出演:藤村実穂子、ハンブルク交響楽団室内アンサンブル)が大阪と熊本で同時上演され、それぞれの公演でアシスタントを務めた。ジャンルを超えたコラボレーションにも力を入れ、クラシック音楽と異なる芸術表現の融合を通じて新しい表現の可能性を模索している。

 

 

 

 

 

 

新型コロナウイルス感染症の流行期間中に文化芸術の社会的需要の欠如や業界の古い体質に疑問を抱き、文化政策やアーツマネジメント分野での実践と研究も本格化させる。大阪市の起業支援プログラム「立志庵」(大阪産業創造館)に入所し、ビジネスやマネジメントの基礎知識を学ぶとともに、法人運営の実務経験を重ね、文化芸術産業の未来に対する理解と専門的なスキルを習得。また、非営利文化芸術のマネジメントという観点から理論と実践を統合する研究を進め、関連する論文執筆にも取り組んでいる。

 

現在はフリーランスの指揮者として活動する一方、2022年から大阪アーツカウンシルの統括責任者、大阪府文化アドバイザー、大阪市文化アドバイザーを務め、2023年からは日本芸術文化振興会のプログラムオフィサー(音楽分野)に就任。非営利文化芸術活動を対象とした伴走支援、事業評価、調査研究、政策提言、研修などの創造環境の整備にも関わっている。

 

 

 

 

 

 

 

音楽は自己完結的な芸術ではなく、その感動や美的体験が地域社会に根付き、共感や連帯を生み出す力を持つと信じている。欧米の主要歌劇場でコレペティトゥアや音楽スタッフとの協働を通じて深めたオペラへの知識と経験、アメリカでの芸術経営の実践で培った経営的マインド、さらにアーツカウンシルや文化政策に関わる中で磨いた社会的視点を統合し、指揮者としての活動に反映している。

 

職種や役職の枠に留まらず、音楽を軸に文化、芸術、歴史、教育、観光、都市経営、地域創生へと無尽に越境し、その中で個性と創造性が自然に伸びやかに発揮される音楽活動に邁進する。固定観念に囚われない新しい価値観が醸成される環境の中で、音楽は単なる芸術表現を超え、人々が共に育ち合い、つながり合う「場」として息づく。その過程で感性と社会性を両翼に広げながら、より柔軟で豊かなコミュニティを紡ぎ出し、稀有な存在として挑戦を続けている。

学歴

 

University of North Texas College of Music (2015–2019, ABD)

Doctoral Program in Orchestral Conducting

Minor: Opera Studies

 

University of North Texas College of Music (2013–2015)

Master’s Program in Orchestral Conducting

Minor: Music History

 

University of Nevada, Reno (2008–2012)

Bachelor of Arts in Music Performance (Trombone)

Minor: Neuropsychology

 

これまで協働した指揮者・音楽スタッフ(抜粋)

 

これまでの活動を通じて、多くの著名な指揮者や音楽スタッフと協働する機会に恵まれました。

その中でも特に印象的な方々として以下の方々が挙げられています

 

  • Ariadna Zagrean-Chiba (Former Music Staff, Vienna State Opera)

  • David Itkin (Music Director and Conductor, Abilene Philharmonic Orchestra; Professor of Music, University of North Texas)

  • Dian Tchobanov (General Music Director and General Manager, State Opera Plovdiv)

  • Enza Ferrari (Former Coach, La Scala, Milan)

  • Gregory Buchalter (Staff Conductor, Metropolitan Opera)

  • James Conway (General Director and Stage Director, English Touring Opera)

  • Jonathan Eaton (General Director and Stage Director, Pittsburgh Opera)

  • Jonathan Peter Kenny (Lecturer, Royal Academy of Music; Freelance Conductor)

  • Kento Nagano (Music Director, Hamburg State Opera)

  • Mariano Furlani (Freelance Stage Director)

  • Marek Ruszczynski (Coach, The Royal Opera House; Jette Parker Young Artists Programme)

  • 村方千之(指揮者、元日本ヴィラ=ロボス協会会長)

  • Russell Miller (Opera Coach, Eastman School of Music)

  • Simone Luti (Former Coach, La Scala, Milan; Lecturer, La Scala Academy)

  • Stephen Dubberly (Associate Professor, University of North Texas; Coach, Dallas Opera)

  • Stephen Hopkins (Répétiteur, Vienna State Opera)

  • Tomáš Netopil (Music Director, Essen Philharmonic and Aalto Theatre)

  • William Billingham (Principal Coach, Lyric Opera of Chicago)

 © 2013 by Yuya Miyazaki

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